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僕らのStoryline

第8章 青い宝石の行方


「なぁ」

「なに?」

「俺らってさ」

プルルルル…プルルルル…

「わりぃ」

「…」

「もしもし?おー!どした?」

ふっかは右手でゴメンってポーズしながらリビングから出ていった。

俺は、飲みかけの麦茶を飲み干した。

ダイニングテーブルからソファに移動した。

テレビをつけてザッピング。

動物がたくさん出てくるやつにチャンネルを合わせた。

リモコンをテーブルに置いてスマホに手を伸ばす。

誰からも通知はなくて。

「…ちぇっ…」

トイレにでも行くふりをして、リビングから出ていったふっかを探す。

探す、といっても寝室かお風呂くらいしかないけど。

「…だよな、わかってんだよ、このままじゃ良くないって」

寝室から聞こえるふっかの声。

いつもの調子とは違って肩を落としてるように見える背中。

「ちゃんと言わなきゃだよな」

そこまで聞いて、トイレに入った。

聞かなくても分かる。

俺のことだ。

俺との関係を終わりにしたいってことだ。

分かる。

分かるんだよ。

だって、俺はずっと見てたから。

ふっかを。


コンコン””

「しょうた?大丈夫?」

「あぁ、寝そうだった」

用をたしたわけでもないけど、水を流して出た。

ソファに戻ればリモコンを持つふっかが俺を見た。

「眠い?」

「え?あぁまぁ」

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