箱……戎壹
第1章 目が覚めたら…
義理兄は出ていき――――義母の執着は出来損ないの弟に注がれ始めた。
結婚後――――別居の予定も…同居に代わり…私たち夫婦の予定が狂いだした。
しかも、行き場のない義母の愛情は主人に全て注がれ――――“出来損ない”と罵っていた態度は“最愛の息子”へと変貌し――――…義理兄の時を遥かに上回る執着を見せ始めた。
それと同時に――――義母の中で…愛していた義理兄が変わったのは…私が嫁に来たからだ――――、と言う変な解釈が追加された。
全ては――――私が悪い…。
と、義母の中で私は大きな“害”となった。
それから、小さいことから大きいことまで――――全ては私が悪く…至らないから…と、理不尽な難癖で私を非難し我が家での地位を最下位におとしめた。
それはどんどんとエスカレートしていき…