テキストサイズ

箱……戎壹

第2章 十月十日後の母の手


しかし、私の運ばれた場所は…産婦人科…


神様は――――残酷なことをする。


一度、入院している科に回されたのだろう…


こんな残酷な事があって良いのだろうか…。



助けて欲しい――――…


助けて…






しかし、不幸は続く――――…全摘した子宮の取り残しが検査で分かり…


もう一度…摘出手術を行わなければならなくなった…。


再びあの苦痛が自分を襲うのだと思うと…躊躇した。


しかし、今後の生活を考えると…欠片を残しておく方がリスクが高いと説明され…私は同意した。


手術は――――…未定…私の精神状態や体力等を回復してから予定は組むこととなった。


体力は回復するとして――――精神的な回復はするだろうか?


新生児の鳴き声のする――――この地獄のなかで…。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ