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子犬、拾いました!

第9章 嫉妬

「…ごめん、俺、頭に血がのぼってた。 泣かせるつもりなんかなかったんだよ」


ベッドから下りて、床に座りこんでいた。


「陽太、ごめんなさい。誤解させるようなマネして」

「ごめん、冷静に話しようか」


そう言って、ハンカチを渡してくれた。


「ちょっと待ってて」

「うん」


涙をハンカチで拭いていたら、陽太がキッチンに消えて行った。


「はい」


キッチンで作ってくれていたのは、温かいココアだった。

「…ココア」

「うん、俺が初めてこの家に来た日にもココアを作ってくれたでしょ?」

「そうだったね」

「仲直り…のつもりなんだけど、どうかな?」

「うん、仲直り」


ココアを飲みながら、今度こそ冷静に話を始めた。

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