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カトレアの咲く季節

第11章 夢か現か

 上体を起こし、手のひらの上でそっと包みを開く。
「ユナ……!」
 現れたものに、アレクは思わず呼びかけていた。
 やはり自分の記憶は夢ではない。ユナは確かに今年の収穫祭を自分と一緒に歩いたのだ。

 ハンカチの中央には、銀色をしたカトレアの髪飾りが、窓からの日差しを受けて輝いていた。

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