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妄想警察

第1章 オタ失格、言語道断の推しシコ

「何かの間違いです。私はそんなことはしていません」

浜本哲郎は涙目になって必死にやっていないと訴えた。

「しらばっくれようったって、そうはさせないよ。ホワイト、証拠を見せてやんな」

もう一人の髪の長い婦人警官が怖い顔をして浜本哲郎の頭に手を置く。

なる程、階級が高いのかなと思っていたが、白い制服を着ているからホワイトか。だったら黒い制服を着ているショートヘアの方はブラックかなと思ったらホワイトが本当にそう呼んだ。

「え~いっ」

ホワイトが何かを引きずり出すように浜本哲郎の頭から手を離すと写真の数々が出てきた。

小学生や中学生のアイドルさんのワンピース衣装が密着して浮かび上がった形のいいおっぱいやお尻のドアップ、そしてまだ性長を始めたばかりの未成熟なヌードの写真が出てきた。

「そ、そんなバカな・・」

オタクというものは大切な推しさんを汚すようなことは絶対にしない。だから、こんなエロアングルの写真は絶対に撮っていない。目には焼きつけたが。ましてやヌードなんか当然見たこともない。エロ本で見た美しいヌードを思って、こんなカンジかなと勝手に妄想しただけに過ぎない。

この婦人警官は妄想の中の写真まで現像できるのか。無茶苦茶にも程がある。

いくら何でも無茶苦茶だと言おうとすると、ブラックは白い幕を降ろしてホワイトは浜本哲郎の頭をバチンと叩いた。頭をバチンなんて久しぶりにされたと思ったら目から光線が出て白い幕に投影される。

スクリーンにはあの夜浜本哲郎が妄想の中で巨乳の推しさんふたりを凌辱したおぞましい映像が映し出される。

「やめろ、やめてくれ~」

浜本哲郎の目から涙が流れて、思わず叫んでいた。いくら同性の女性だからといって大切な推しさんのこんな姿を見られるのはあまりに忍びない。

「自分の犯した罪を認めるな」

ブラックが汚いモノでも見るように蔑みながら浜本哲郎を落としかかる。

「ち、ちょっと待ってくれ。確かに妄想はした。だけどこれは妄想なんだ。現実にあったことではないんだ。現実では指一本触れてはいない」

と浜本哲郎は妄想をしただけだと強く主張した。こんな妄想をして大切な推しさんを汚してしまった罪悪感は重くのしかかっている。自分は最低のヤツだから罰せられても仕方ないとは思う。

しかし、消えない重い罪悪感こそが課せられた罰だと思う。

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