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妄想警察

第1章 オタ失格、言語道断の推しシコ

浜本哲郎はガックリと項垂れてガタガタと震える。

「自分の犯した罪を認めるな」とブラックに睨まれて浜本哲郎は涙を浮かべて頷く。

いや、こうなる前から自分の犯した罪がいかに重大なものかは充分に分かっていた。だからこうなって良かった、きちんと罪を償わなければと思う。心の中に背負った十字架が重くのしかかる。

「一歩間違えばお前が推しさんに襲いかかって悲劇を起こすところだったんだぞ。ガキじゃあるまいし自己管理ぐらいきちんとしろよ」

今度はホワイトが無理な禁欲をしたことを責め立てる。今度の妄想犯罪は無理な禁欲が招いたものだし、ホワイトが指摘するように妄想ではなくその場で事件を起こしても不思議でないぐらいに溜め込んでいた。

「申し訳ありません」と浜本哲郎は無理な禁欲をして溜め込んで危険度マックスな状態で推しさんに会いに行った愚行を悔いた。

「あ、あの~、自己管理のために使う本やDVDは大丈夫なんでしょうか?」と浜本哲郎は恐る恐る訊いてみた。

ブラックもホワイトもこれだから男はといったような呆れた顔で浜本哲郎を見る。

「そういうものに出ている女性たちはお前たちのような男が犯罪を犯さないようにその身を犠牲にして性的欲望を解消してくれる女神様のような有り難いお方たちだ」

「だから、よく感謝して使え。軽視したり粗末にしたりすれば、それも立派な犯罪だ」

「そんなことは致しません、致しません。いつも感謝でいっぱいです」

これは本当のことだ。エロ本やエロDVDをオカズに使わせてもらう時にはいつも感謝の気持ちを忘れたことはない。

そんな浜本哲郎の様子を見てブラックとホワイトの顔に笑みが戻ってきた。

「自分のしでかした罪を重々認識したようだな。それでは裁きを受けるがよい」

取調室の奥には重い扉があって、何だろうと思っていたのだが、その扉が開かれて浜本哲郎は連行された。

扉の向こうは裁判所になっていた。妄想犯罪は即時判決が下されるのだ。ブラックとホワイトに加えて警察署長も同席して雰囲気が重苦しくなる。

ちなみに警察署長は映画館のパトランプ男みたいな姿をしている🚨

太鼓が激しく打ち鳴らされて判決が下されることを知らせる。

「妄想裁判官様のおな~ら~」

ぶぶ~っ、ぶお~っと強烈な屁をぶっ放ちながら裁判官が降臨する💨💨💨

 

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