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学校の七不思議

第2章 人体模型

「でも……うそ……信じられない……。だって今動いてないし……」

「………」


 私がそう言うと、カレンちゃんは少し寂しそうな顔をした。
 でもすぐにニコッと笑って、


「なあんてね! 実はさっきドアを開けた時に角を曲がっていく先生の姿が見えたの。きっとここまで彼を運んできたのはその先生よ」

「……え? そうなの?」

「うん、ごめんね。ビックリした?」


 私は涙目になりながら、フンッとそっぽを向いた。


「カレンちゃんがそんな意地悪だと思わなかった!」


 ひどいよ、カレンちゃん。
 私は本当に怖かったのに。


 それに宿題を取りに来ただけなんだから、学校の七不思議で遊んでる場合じゃないのに。


 私がムスッとしている隣で、カレンちゃんは人体模型に向かって「お疲れさま」と声をかけていた。


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