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学校の七不思議

第2章 人体模型

 ──ガンッ!!


 私は驚いて、思わず机に頭をぶつけてしまった。


「え? やだ、ユキちゃん、大丈夫!?」


 カレンちゃんが心配して駆けつけてくれる。私は涙目になりながら、頭のてっぺんを両手で押さえた。


「なんで……なんで……」


 人体模型は身動きしないでジッとこっちを見て立っている。


「ユキちゃん。学校の七不思議、その二よ。理科室の人体模型が勝手に動き回るの」


 なぜかカレンちゃんは楽しそうにそう言った。


「……いや、待って……人体模型が本当に一人でここまで歩いてきたっていうの?」

「そうよ。あのカシャカシャという音は、彼が歩いていた音だったのよ」


 確かに聞いた。
 人の足音ではない、カシャカシャという音。


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