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学校の七不思議

第5章 鏡

「──ちゃん、ユキちゃん!!」


 どこからか、カレンちゃんの声がする。
 私の視界は真っ暗だ──いや、うっすらと光が見える。


「ユキちゃん、しっかりして!!」


 目を開けると、今にも泣き出しそうなカレンちゃんの顔が見えた。


「あれ……? 私なんで……」


 私はトイレの入り口で横たわっていた。


「ユキちゃん、覚えてないの? ユキちゃんがトイレから出てくるのを待っていたら、急に悲鳴が聞こえたの。それで見に行こうとしたら、ユキちゃんが突然飛び出してきて、気を失って倒れちゃったのよ!」

「……っ……」


 そうだ私、トイレの花子さんを見ちゃったんだ!


「カレンちゃん……! 出たの! トイレの花子さんが、出たの!」

「……え……」

「さっき女子三人組がトイレに来て花子さんを呼び出したから、花子さんが出てきちゃって……」

「待って、ユキちゃん。三人組って?」

「!?」


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