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学校の七不思議

第5章 鏡

「ずっと入り口でユキちゃんを待ってたけど、誰もトイレに入ってないわよ?」

「……うそっ……」

「本当よ。カレン、ずっと一人でここで待ってたもの」

「嘘だ!!」


 私はカレンちゃんを突き飛ばした。


「ユキちゃん……!?」

「なんでそんな嘘つくの? 私を怖がらせて楽しい?」

「何を言ってるの、ユキちゃん……全く意味がわからないわ」

「じゃあ、何!? さっきの三人組が幽霊だって言うの? あんなにハッキリ会話が聞こえたのに!」

「……カレンには何も聞こえなかったわ」


 私はカッとなって、ランドセルを背負って歩き出した。


「もういい、帰る! カレンちゃんにつきあってたら、変なことばかり起きるもん!!」

「……カレンのせいなの?」

「そうだよ、全部カレンちゃんのせいなんだから!!」


 私はそこまで言って、我に返った。さすがに今のは言い過ぎたと思った。
 謝ろうとカレンちゃんの方に振り返ると、カレンちゃんは何故か笑っていた。


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