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学校の七不思議

第5章 鏡

「ふふふ、そうね……カレンのせいかもしれないわね」

「……カレンちゃん?」


 てっきり悲しませたと思ったのに、カレンちゃんはずっとクスクス笑っている。


「やめてよ、なんで笑うの?」

「あのね、ユキちゃん。カレンの秘密を教えてあげる」

「秘密……?」


 わけがわからなかった。
 嫌な予感もした。
 でもカレンちゃんの秘密と聞いて、好奇心の方が勝ってしまった。私はカレンちゃんの後をついて、屋上への階段を上がって行く。
 何気なしに数えてしまった階段の数は13段だった。


 階段を上った先には大きな鏡があった。
 埃が被っていて、自分の姿がぼんやりとしか写らない。


「カレンはね、この世界の住人じゃないの」

「え?」


 カレンちゃんは唐突にわけがわからないことを話し始めた。


「この鏡を使って、もうひとつの世界から来たのよ。友達を探しに来たの。ずっと一人で寂しかったから……」


 そう言うと、カレンちゃんはニコッと笑った。


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