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学校の七不思議

第7章 【B】

 私は鏡の中に入らなかった。
 そんな、よくわからない世界に行きたくないと思った。


「なぁんてね! もうひとつの世界から来たなんて冗談よ。ビックリした?」


 カレンちゃんはいつものようにニコッと笑った。でも私はさすがに笑えなかった。


「……嘘? やっぱり嘘だったの? ひどいよ、カレンちゃん!」


 私はもうカレンちゃんについていけなくなった。嘘ばかりつく人とは付き合いたくない。


「……自分だって……」

「え?」


 カレンちゃんが何かボソッと言ったようだったけど、よく聞こえなかった。


「私、帰るね」


 私はそう言うと、カレンちゃんを残して先に校舎を出た。
 辺りはもうすっかり暗くなっている。
 カレンちゃんの七不思議に付き合うんじゃなかったと後悔した。


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