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学校の七不思議

第2章 人体模型

「もう、ユキちゃんってば怖がりなんだから」


 上履きに履き替えていると、隣でカレンちゃんがクスクスと笑いながら靴を揃えていた。


「怖がりじゃなくて呆れたの」


 二宮金次郎の銅像が夜中に走り回って、他の学校の二宮金次郎と交代しているから薪の数が違うなんて話、誰が信じるっていうの?


「もう、さっさと宿題取りにいくよ」


 私はカレンちゃんのちょっとズレたところに少しイラッとしながら、学校の廊下に一歩踏み出した。


「!」


 その瞬間、ゾワッと背筋が寒くなった。


 なんだろう……いつもと同じ風景なのに、人がいないだけでどうしてこんなにも怖いと感じてしまうんだろう。

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