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学校の七不思議

第2章 人体模型

「どうしたの?」

「ひっ」


 ヒョイッと右側からカレンちゃんが顔を出したもんだから、私は小さく悲鳴を上げてしまった。


「ユキちゃんの教室は一階? 二階?」

「さ、三階だよ。5年3組だよ」

「3組まであるの? 人数多いのね」

「カレンちゃんは何年生?」

「カレンはねぇ……あっ!」


 カレンちゃんは突然大声を出すと、すぐ近くの一年生の教室の中へと入って行った。


「ちょ、ちょっと……カレンちゃん!」


 慌てて追いかけると、カレンちゃんは適当に椅子に座ってはしゃぎ始めた。


「あはは、机小さ~い!」


 うん、どう見てもサイズが合っていない。


「あっ! 壁に国旗の絵がいっぱい貼ってある!」


 カレンちゃんはキラキラとした目で、一年生が描いた国旗の絵を順番に見た。


「カレンはね、フランスで産まれたのよ」

「へぇ、そうなんだ」


 だからカレンちゃんの目は青色で、髪は金色なんだなと思った。


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