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次の瞬間、インラチガールは無機質な広い建物の中に立っていた。

「やあ、こうして顔を合わせるのは久しぶりだな。…インラチガール。」

少し高台になった先の、巨大なスクリーンや複雑なモニターがいくつも埋め込まれた壁の方から、聞き覚えがある者の声がした。

「グロウマン。」

国章が刻まれた立派な演説台の奥にいる宇宙人とは普段テレパシーによって会話をしているが、実際に会うのはこれで2度目だ。

いつもの様に彼女の事をホナミと呼ばないのはこの場に他の人間がいて、インラチガールの正体が他者へ知られない様にする為の配慮だろう。

そう、ここには彼女を連れて来たインラチギャルの他に2人の女性がいる…。

「早速だが順を追って説明しよう。

ここは政府が用意した異星人対策用のスペース…。言わばエロリアンと戦う私達の秘密基地となる場所だ。」

「秘密基地っ!!凄い！正義の味方っぽくて良いじゃない!!」

「君なら喜んでくれると思っていたぞ、インラチガール…。

次に私の力でまた3人分の身体を作り、君と共にこの地球を守る新しいヒロイン達も見つけて来た。

1人ずつ紹介しよう。まずはもう自分でも挨拶をしたと思うが、彼女がインラチギャルだ。よろしく頼む。」

「一緒に頑張ろーね。」

そう言ってインラチギャルは伸ばした2本の指を右目の周りに当てて無邪気に微笑んだ。

「そしてあそこにいるのはインラチレディー。」

グロウマンが手で指した方には、大人の妖艶さを匂わせる綺麗な顔をした長い黒髪の女性がいる。

少し離れた場所に片膝を立てて座っているインラチレディーは、凛とした表情のまま目を合わさずに軽く会釈だけした。