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奇跡を信じて

第24章 約束のプレゼント

 
 「現在、4対1でパイレーツがリードしています。5回裏、2アウト1塁で田村がバッターボックスに入りました。カウントは2‐3となり、ピッチャー野口投げました。田村、打ちました。打球はライト方向へ飛んでいます。ライトは完全に諦めました。田村のホームラン、2ランホームランです。4対3、1点差となりました。田村、7試合ぶりのホームラン、第16号です」

 「大地、田村選手が、ホームランを打ってくれたね」とひとみが言うと、


 「やったー。タムがホームランを打った」と大地は立ち上がって手を叩いた。



  (9回裏、ジャガーズの攻撃)

 「タムは、もう打たないの?」と大地が幸雄に聞いた。

 「田村選手は5番目に打つので、今日は廻ってこないかもしれないな」と幸雄が言った。

 「もう一回、タムのホームランが見たかったのに」
 と大地はすねた口調で言ったため、

 「大地、田村選手は、さっきホームランを打ってくれたでしょ。そんな事は言わないの。分かった?」とひとみが言った。

 「ごめんなさい」と大地は謝った。


      (中継)

 「1点差で最終回、ジャガーズの攻撃になります。9回裏は運良く1番バッターの風間からです」

 「風間、セーフティバンドです。打球はサード方向へ、サードが前進、右手で掴んでファーストへ投げました。どちらが早いか? セーフ、セーフです。風間の足が間一髪速かった。2番の中谷、ここで犠牲バンドでしょうか、川籐さん?」

 「そうですね、バンドで送って同点にもっていくでしょうね」

 「中谷、バンドです。ピッチャー2塁をあきらめ1塁へ投げて、1アウト2塁です。3番の高木がバッターボックスへ入りました。高木、初球を打ちました。打球はレフト方向へ飛んでいます。レフト前に落ちるのか? レフト、前進をして滑り込んでいます。レフトはシングルキャッチで、右手を上げています。神田のファインプレーです。2アウト2塁となりました。ここで主砲のクルーズです。クルーズにヒットが出れば同点となりますが、何とかここで打って欲しいところですね」と江川が言った。




 

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