
身体を重ねても、想いはズレたまま
第8章 第8章 想いはズレる
翌日の午後に電話をかけたが、留守電が続き、その翌日も同様に連絡がとれない。
メールをしても返事がない。
着信拒否状態だった。
このままでは埒があかない。
彼女が在宅しているであろう時間を狙って、新しいマンションまで出向いた。
インターホンを押したが、まったく返答がない。
電気のメーターが回っているので在宅しているはずだが、出てくる気配はない。
扉を叩いてもダメ。
近所の目もあり、これ以上の長居はまずいと考えて、その日は退散した。
こうなったら、彼女のマンション前で待ち伏せるしかない。
今ならストーカー紛いのことになるが、話をするにはこうするしかなかった。
キャバクラ帰りを狙うが、お客とアフターに出ると、何時に帰宅するかわからないので、夜中の1時から張り込んだ。
深夜の3時を回ったところで、マンション前にタクシーが横づけされた。
出てきたのはレナだった。
