不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第8章 隠し事
携帯を見ると、バラ組のトークルームでアンナが騒いでいた。
[ 昨日めっちゃ楽しかった〜!!]
[ でも後半すごい酔っちゃって、あんまり覚えてない(笑)]
アンナ、昨日すごく楽しそうだったもんなぁ…。
[ 行きたかった〜]
というケイのメッセージや、
[ たまには思いっきり酔っ払うのも全然アリ!]
という紗奈のメッセージでトークルームは盛り上がる。
[ ダーツバーに彼氏くんが迎えに来てくれて、礼儀正しく挨拶してアンナをしっかり連れ帰ったよ〜!]
と送ると、
[ てへ!ご迷惑おかけしました〜!
ダーツバーのあとは三次会とかあったの??]
とアンナが聞く。
また瞬時に昨夜の出来事を思いだし、胸がドキドキしてくる…。
[ 三次会は無かったよ!
そういえば平野たちが、つぎはみんなでキャンプしようって言ってたよ〜]
そう返信すると、持っている携帯からピロンと音がした。
違うメッセージが来たのかな?
確認すると、そこには"瀬川 直斗(なおと)"という文字が浮かんでいた。
考えるより先にメッセージをひらく。
[ おはよ。起きれた?
俺は昨日のお前のせいで寝不足。今から帰るところ。]
とっさにクスッと笑ってしまう。
[ おはよう!昨日はすごく楽しかった。ありがとう。
その意味深に聞こえる言い回しは何なのかな(笑)
ところで、結局お金払いそびれちゃってごめんね。
今度一杯おごらせてください!]
送信すると、私はマスターが焼いてくれたバケットを口に含む。