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不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―

第16章 埋められない溝



瀬川くんはこっちに帰省していて、同級生の男グループで初詣を済ませ、これから飲みに行くらしかった。


「お前は?どうしてる?」


「…1人で仕事部屋(笑)もう少しで終わりそうだから、そしたら紗奈にでも連絡してみようかなって」


「そっか。……あ!仕事といえばさ。今度俺の勤め先で、誘致イベントをやるんだよ」


「誘致イベント?中学校で?」


「そう。田舎だから…町の移住支援内容とか環境とか、町のことを丸ごとPRするような感じ。そのために配布用のリーフレットを作るんだけど…お前、そういうの出来たりする?」


「??…うん、リーフレットはよく依頼もらうけど」

いまいち状況がつかめずに言うと、

「うちの校長が、町おこし協力隊の会長なんだよね。もし請け負ってもらえるなら、挨拶がてら一度学校に来ないか?」


「えっ…私が?」


「校長が俺のこと当てにして、若いから作れるだろうって(笑)俺は無理って言ったんだけど、誰かいないかって話になってさ。お前どうかなって」


「…やる!すぐにでも挨拶に行くよ。嬉しいな!」

考えるよりも先に返事をする。



仕事がもらえる事はもちろんありがたいけれど、瀬川くんの住む町のことや学校を拝見できるなんて…とてもワクワクしてしまう。


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