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くるみの初恋、高校教師。

第9章 星のお兄さん


「あのさ、くるみちゃん。
先生、ひとつ気になってることがあるんだ。」


「なんですか…?」


「くるみちゃんはなんで理科が苦手なの?
他の科目はいい成績取れてるのに。」




くるみは少し考えて話はじめた。



「…教科書見るとママのこと思い出すんです。

星を見てももちろん思い出す。

寂しくなってくるから、いつの間にか嫌になっちゃって。

以前は大学でママと同じように天文学を学びたいなとも思ってたんですけど…」


「そうか。ごめんな辛いこと思い出させて。」



くるみは目に涙を浮かべていたが、先生の前で溢れてしまわぬよう必死に堪えていた。



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