くるみの初恋、高校教師。
第11章 先生との週末
それから週末の夜になると、
先生が家にきて勉強を教えてくれる。
最初は戸惑ったものの、くるみの心配をよそに先生はただ勉強を教えてくれ、ときどき雑談もして、くるみはそんな時間が楽しくなっていた。
「…よし!正解!」
「やった!」
「くるみ、だいぶできるようになったな。」
「先生のおかげで、わかるようになってきたの!」
「うれしいよ。くるみがそう言ってくれて。
なにより、くるみが笑顔を見せてくれるのがもっとうれしいけどね。」
一ノ瀬はくるみが昔と変わらぬ笑顔を見せるようになり、それがなによりうれしく、愛おしく感じた。
そして思わず、くるみの頭をぽんぽんとなでた。