
くるみの初恋、高校教師。
第15章 夏休み
少しして先生がくるみの部屋に来た。
テーブルの上にはいくつか料理が並んでおり、
くるみはお味噌汁とご飯をよそった。
「おぉ!すごいなくるみ。これ全部1人で作ったのか?」
テーブルに並ぶ料理を見て、一ノ瀬はくるみが一生懸命準備したことがわかった。
また、自分のためにくるみが頑張ってくれたと思うと、うれしくて仕方なかった。
「...うん。」
くるみはキッチンから照れくさそうに返事した。
「あ!!」
「どうした!?くるみ!」
一ノ瀬は慌ててくるみのそばに行った。
「先生、私、お茶碗ひとつしかないんだった…」
「はははっ!なんだもうびっくりさせるなよ。
そりゃ普段一人だもん。自分の分しかないよな。
待ってて、俺のお茶碗取ってくるから。」
そう言って、先生は家からお茶碗を持ってきてくれた。
