
くるみの初恋、高校教師。
第16章 初めてのデート
「あ、この車が先生のだったんだ!」
「なんだよ、この車がって。」
「だって、学校で先生たちが車とめてるでしょ?
その中に一台だけ赤い車があるから、みんなかっこいい、誰の車だろ、ってよく話してるんだよ。」
「はは。お前ら先生がいないとこでそんな話してんのか〜。」
一ノ瀬の車は深紅のセダン。
背が高くてイケメンな一ノ瀬にはよく似合う。
「おいで、くるみ。」
先生は助手席のドアを開けて、頭をぶつけないよう車のフレームに軽く手を添えてくれていた。
「よし、出発するよ。」
「お願いします。」
先生はエンジンをかけ車を走らせた。
