
くるみの初恋、高校教師。
第16章 初めてのデート
「よし、ついたよ。」
やってきたのは、海沿いにあるハンバーガー屋さん。
小さいけれど、映画に出てきそうなアメリカンなお店だ。
なかに入ると、海が見える窓側の席へ案内された。
「好きなの頼んでいいよ。」
「いいの?」
「もちろん。くるみが食べたいの選んで。」
しかし、くるみはなかなか選ぶことができなかった。
「くるみ?決まった?」
「まだ、なんだけど…。あの、先生?メニュー読むの難しい…」
「えっ?」
実はくるみは、小さい頃から外食しても自分でメニューを選んだことがない。
というより、多くは予約したコース料理が出てくるため、メニューはほとんど見たことがなかった。
さらに、ここのメニューはほとんど英語で書いてあって、どんなハンバーガーかは小さく書かれた日本語を読まないとわからないようなメニューだった。
「はははっ。そういうことか。くるみは本当にかわいいな〜」
一ノ瀬はくるみがおかしくて、でもかわいくて、思わず吹き出してしまった。
「恥ずかしいよ…」
「大丈夫だよ。くるみはどんなのが食べたい?」
「えっと、チーズバーガーがいいな。あと、アボカドが入ってるやつ…ある?」
「うん、あるよ。」
そういって、先生は注文をしてくれた。
