くるみの初恋、高校教師。
第3章 お隣さんにご挨拶
ガチャ…
「………っ!」
「こんばんは」
ちょうど、隣に住む一ノ瀬が帰ってきたところだった。
笑顔で挨拶する一ノ瀬に、くるみは慌てて返事をした。
「あ、あの、初めまして。先週ここへ引っ越してきました、望月くるみです!パパっ…父から話を聞いてます。どうぞよろしくお願いします!」
口早に頭を下げると、
「よろしくね、くるみちゃん。僕もお父さんから話は聞いてるよ。なにかあればいつでも言ってね。」
「はい、ありがとうございます。」
顔を上げたくるみはようやく一ノ瀬の姿を見て
"一ノ瀬さんって背が高くてカッコいい…。私、こんな格好で出てきちゃった…"
「どうかした?もう暗いけどこれからどこか行くの?」
「あっ!いえっ。ちょっとスーパーに行くだけで…。すみません、失礼します!」
「ちょっと!待って!鍵閉めてないよ!」
「………っ!すみません、ありがとうございます。」
くるみは家の鍵を閉め、足早にエレベーターに乗って行った。