『お面ウォーカー（大人ノベル版）』第8章「二人目のお面ウォーカー」　148ページ

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お面ウォーカー（大人ノベル版）

第8章二人目のお面ウォーカー

良夫の目の前に、細かいガラス片が飛び散る。

クリーーーンに取り付けられた、正面を確認するための小型カメラを叩きつけたため、レンズが割れ破片が散った。

「ああぁーっ、なんてことを……」

三島くんは、慌てて良夫が持つほうきを奪いとる。

「おい、なにすんねん！」

良夫は声を上げるが、三島くんは、黙ってほうきを持って地面を掃きだした。

「これでいいんです。クリーーーンには、我々がこうやると大人しくなっていく、そういう機能がついているのです。博士が言ってました。『常識の無い者に対して、注意を促す機能もある』と。だから、あなたがほうきを竹刀のように持っていることを許しておけなかったんでしょう」

「じゃあ、俺が注意されてたん？いやいや、おかしいおかしい、隣町ではこいつのせいで、一部の人らがプチパニックになっとったがな」

「それは、クリーーーンの行き過ぎた行動のせいでもありますので、もし、知らないところで大きな迷惑をかけていたとするなら、きちんと博士一緒に謝罪します。見てください、僕がこのようにほうきを使えば、見て下さい。クリーーーンだって……」と三島くんと良夫はクリーーーンに目を向けた。

クリーーーンは周りをグルグルと暴れるように動きだし、塀や電信柱にぶつかりそうになっている。

他の小型カメラがまだ生きていたため、障害物に当たるのを防いでいた。

「アレを止めればいいんだろ？」

突然、背後から聞こえた声に、良夫は振り返る。