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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第8章 二人目のお面ウォーカー

「え、あ、え?」

そこにいたのは、黒い狐の面をつけた男、山田二郎だった。

「え、誰?」

良夫はお面の奥から、目を点にして二郎を見つめる。

「挨拶は後にしようぜ、大阪の同士」

そう言って、二郎は飛び出すように走ると、Sの字に移動する、クリーーーンの前に立ち塞がる。

そして、フットボールのようなタックルで、クリーーーンの胴体を抑える。

クリーーーンは障害物と認識したのか、激しく動き回る。

「てめぇ、ちょっとはジッとしてろ!」

二郎は体勢を変えて、クリーーーンのマジックハンドの腕を左脇にとると、付け根に向かって右肘を落とす。

バキッという音と共に、クリーーーンの腕が外れる。

そこに三島くんが駆け寄り、悲痛な声を上げる。

「ああああぁぁ、なんてことを……なにも壊すことないじゃないですかぁぁぁ」

「これ、あんたのか? だったら、こんなバカ迷惑なものをほったらかしにするんじゃねえよ」と取れた腕を三島くんに突きつける。

ズシッと重いクリーーーンの腕を両手に受け取り、地面に両膝をついた三島くんは、作った漠間に対し、陳謝の心をこめ泣き崩れた。

二郎は、両足をストッパーにしてクリーーーンの動きを止め、両腕で胴体を抱えると、「どぅりゃーっ!」と力を込めて後ろに投げつけた。

良夫は、「すんげぇ、力だねぇ」と感心し、疲れたのか、三島くんの隣に座り込んだ。

投げられたクリーーーンは、大きな音をたてT字路の真ん中に転がった。

そこに、ブレーキ音を響かせた原付バイクが止めきれずに、正面からクリーーーンにぶつかり、前方に一回転。乗っていた男性は、バイクから投げ出された。

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