お面ウォーカー(大人ノベル版)
第1章 誕生
『ピピッ、ピピッ、ピピッ…………』
枕元に置いた、携帯電話のアラーム音が鳴り響く。四角い画面上部には、「AM7:00」と表示されていた。
六畳の部屋に敷かれた布団の中から、ウツボのように手が伸び、携帯電話の位置を探る。
ようやく掴んだ目覚まし代わりの携帯電話を強く引き寄せると、繋いでいた充電器の線が弾けるように抜けた。
この日は、春先でもまだキンと冷え込んでおり、朝からまだ気温は一桁のままだ。
布団の中で小声で寒っと呟くと、なにやらごそごそと動きはじめる。隙間から冷たい空気が入り込むと、「ふぬっ!」と声が漏れる。
すると、布団の横からコロコロと、巨大なロールケーキのような物体が転がってきた。どうやら、あまりの寒さに毛布を体に巻きつけて布団から出てきたようだ。
テレビと、小型冷蔵庫と、こたつしかない殺風景な畳の間に一本の毛布の巻物が横たわっている。
転がった先にはこたつの線があり、また手探りでその線を掴んだ。こたつに電源を入れたかったのだ。
転がったまま身動きもしない毛布の巻物から、ようやく顔が見えた。
伸びたクセ毛が、パーマをあてたように膨らみ、5ミリほど伸びた無精髭が口周りを覆っている。ぼんやりとした目を薄く開け、部屋全体を眺める。
大きく息を吸い、一気に吐き出すと、ぶわっと白い気体が舞う。
「マジかいな。4月にこんな寒いって、ありえへんわ」
枕元に置いた、携帯電話のアラーム音が鳴り響く。四角い画面上部には、「AM7:00」と表示されていた。
六畳の部屋に敷かれた布団の中から、ウツボのように手が伸び、携帯電話の位置を探る。
ようやく掴んだ目覚まし代わりの携帯電話を強く引き寄せると、繋いでいた充電器の線が弾けるように抜けた。
この日は、春先でもまだキンと冷え込んでおり、朝からまだ気温は一桁のままだ。
布団の中で小声で寒っと呟くと、なにやらごそごそと動きはじめる。隙間から冷たい空気が入り込むと、「ふぬっ!」と声が漏れる。
すると、布団の横からコロコロと、巨大なロールケーキのような物体が転がってきた。どうやら、あまりの寒さに毛布を体に巻きつけて布団から出てきたようだ。
テレビと、小型冷蔵庫と、こたつしかない殺風景な畳の間に一本の毛布の巻物が横たわっている。
転がった先にはこたつの線があり、また手探りでその線を掴んだ。こたつに電源を入れたかったのだ。
転がったまま身動きもしない毛布の巻物から、ようやく顔が見えた。
伸びたクセ毛が、パーマをあてたように膨らみ、5ミリほど伸びた無精髭が口周りを覆っている。ぼんやりとした目を薄く開け、部屋全体を眺める。
大きく息を吸い、一気に吐き出すと、ぶわっと白い気体が舞う。
「マジかいな。4月にこんな寒いって、ありえへんわ」