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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第3章 ケータイ地域ニュース速報。

「ちょっと待て……これって、ひょっとして……」良夫は、思い出した。

ロッカーに入っている上着は、あのお面を拾ってきた、定年前の男性社員のものだった。

「うわ、あの人、間違えて入れてはるわ。確かに隣やけども……」

入れ換えてやろうにも、あの男性のロッカーには鍵がかかっていた。

「おいおい、間違えて入れといて、それはないだろ」

良夫は、自分のロッカーにある金属製のS字フックを取り、上着を掛け、それを隣のロッカーの溝に引っ掛けた。

すると、カタンとなにかが落ちる音がした。

ロッカーの下を見ると、それはどこかに落としたかと思った、大きめのサングラスだった。

「あれ? どこにあった?」

良夫はそれを拾い上げる。だが、頭を上げたとたん、ハンガーにかかった自分の上着がバサッと頭に被さる。

「うわ、なにやってんだ」

上着を除けると、なにか硬いものに手が当たる。

「なんだ、これ?」と硬いものに手を這わせる。

それは、どうやら顔にあるようだ。

「えっ?」

ロッカーの扉の裏にある、小さな鏡を覗いてみる。

「うわぁっ!!」



お面だった。

「えっ、ちょっと待て、えっ、なにが起こった?」

お面の目の辺りに、なにかが引っ掛かっている。取ってみると、S字の金属製フックだった。

どうやら、上着同様にフックに引っ掛けて、良夫のロッカーに入れていたようだ。

もちろんお面は、ピッタリと貼り付いている。

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