お面ウォーカー(大人ノベル版)
第3章 ケータイ地域ニュース速報。
「待った、まだ仕事中だぞ。それに、昼だ。せめて、飯でも食わせてくれよ」
焦りながら、会社にある風呂場に入り、ボディーソープを少量手に取り、軽く泡立てて顔とお面の境目に塗り込む。
浸透すれば、少し時間はかかるが朝のように取れるはず。
念には念を……と、もう少しボディーソープをつけようとポンプを押すと、ワンプッシュしっかりと手にのせてしまった。
「あああああーっ、こんなにもいらないって……」
手を強く振ると、タイルの床に白いボディーソープが飛び散る。
指先に泡立てたボディーソープをのせ、あごから耳の横、額と塗っていくが、外れる気配がない。
「しょうがない、昼休みをつぶして病院に行こう。それしか近道はない」
このまま出て行くと、社員に見付かる恐れがある。
いっそのこと窓から……だが、ここは二階。換気のために開けたままの窓から覗くと、工場の壁と、その下にはドラム缶が見える。一掴みの勇気があればドラム缶の上に飛び降りることは出来るだろうが、今の良夫では降りていけそうにない。間違いなく、足、腰、背中を痛めることになるだろう。
「極力、顔を隠してそのまま出るしかないか」
良夫はダウンジャケットを羽織り、お面の下半分を隠すようにマフラーを巻く。
そのまま、ロッカールームを出ると、運良く誰もいない。
「いまのうちだ」
階段まで走り、手すりに身を預け、下まで滑っていく。
こんなことをしたのは、小学生以来だ。
焦りながら、会社にある風呂場に入り、ボディーソープを少量手に取り、軽く泡立てて顔とお面の境目に塗り込む。
浸透すれば、少し時間はかかるが朝のように取れるはず。
念には念を……と、もう少しボディーソープをつけようとポンプを押すと、ワンプッシュしっかりと手にのせてしまった。
「あああああーっ、こんなにもいらないって……」
手を強く振ると、タイルの床に白いボディーソープが飛び散る。
指先に泡立てたボディーソープをのせ、あごから耳の横、額と塗っていくが、外れる気配がない。
「しょうがない、昼休みをつぶして病院に行こう。それしか近道はない」
このまま出て行くと、社員に見付かる恐れがある。
いっそのこと窓から……だが、ここは二階。換気のために開けたままの窓から覗くと、工場の壁と、その下にはドラム缶が見える。一掴みの勇気があればドラム缶の上に飛び降りることは出来るだろうが、今の良夫では降りていけそうにない。間違いなく、足、腰、背中を痛めることになるだろう。
「極力、顔を隠してそのまま出るしかないか」
良夫はダウンジャケットを羽織り、お面の下半分を隠すようにマフラーを巻く。
そのまま、ロッカールームを出ると、運良く誰もいない。
「いまのうちだ」
階段まで走り、手すりに身を預け、下まで滑っていく。
こんなことをしたのは、小学生以来だ。