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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第6章 ヒーローがいるなら、これもいる。

「……へ?」

打ち疲れた良夫は、息を切らしながらメンドウジャを見る。

恐る恐る、竹刀の先でメンドウジャの脇腹を突いてみる。

「中で泣いてるのか?」

まだ、中に人が入っているものだと思い込んでいた。

すると……、

「あ、やっと見つけた……」と声がする。

良夫は、声のする方へ、目を向ける。そこにいたのは、三島くんだった。

ヘトヘトになりながら、三島くんはメンドウジャに近寄る。

「ダメじゃないか、勝手に走って行っちゃあ……」と、メンドウジャの背中にあるスイッチを押す。

そしてスイッチの上にある、マイクカバーを開けると、「動け」とマイクに向かって言った。

それを見て良夫が、

「これ、あんたの?」と聞いた。

「はい……て言うか、うちの博士が作った、剣道練習用ロボットなんです」

「え、ロ、ロボットぉーっ!?」

良夫は、メンドウジャを二度見する。そして、三島くんに人差し指を突き付ける。

「ロボットって……いや、それやったら、ちょっとあなたねぇ、あきまへんで。僕なんもしてへんのに、こいつ、竹刀振り回して追いかけてきて、今度は、女性にまでこれで殴ろうとしてましてんで。ケガでもしはったら、どうするつもりでんねん」と声を荒げ、持っていた竹刀を突き付ける。

三島くんはそれを聞き、大変申し訳ないと頭を下げる。

「ご迷惑をおかけして、大変申し訳ないございませんでした。て、言いますか……なぜ竹刀を持ってはるんですか?」

三島くんは、お面のことは聞こうともせず、良夫が持っている竹刀の方を気にしていた。

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