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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第6章 ヒーローがいるなら、これもいる。

「こいつが竹刀を手放したから、僕がこれを使って止めたんすわ」

「あ、そうでしたか……」と三島くんは、もう一度、メンドウジャの背中のスイッチを押した。だが、何度押してもウンともスンとも言わない。

「あれ? 動かない……壊れた?」

三島くんの表情が気色ばみ、良夫を睨み付け、

「ちょっとお面のあなた、なにも壊す事ないでしょう」と強気に言った。

「なに、逆ギレされてんの!? いや、壊す壊さないっていうか、やらなきゃこっちが被害受けてましてんで! あんたがこんなん野放しにせんかったら、こんなことにならんかったんちゃいますの? 自分の不始末棚に上げて、壊れた言うて文句言われて、なんでっか? 弁償せぇとでもいいまんの? なんなら出るとこ出て話つけましょうや。弁護士呼びなはれ弁護士」

三島くんの逆ギレに対し、マシンガンのように捲し立てる。

良夫は、相手が弱々しい三島くんだと知っているからこそ、強気になって責めていけた。

「いや……確かに、不十分な点はあったかと思いますが……」

弁護士をたてるとなると、こちらに分が悪い。ここまで追いかけてきても、人様にケガはさせていないものの、迷惑をかけていることは確かだ。

それに、よく事故を起こさなかったものだと、安心し溜飲が下がる思いだった。

良夫はお面を気にしながら、

「こんなややこしいもん、つくりなはんなや」と行って、公園から出ていった。

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