りさと3人のDoctors
第22章 豪の治療
「部屋あってるぞー。」
中から豪の声が聞こえ、りさはもう一度診察室に入った。
「なんで豪先生がいるの…?」
「蒼は緊急でオペが入ったんだ。蓮も手が空いてないから、俺が代わりに。」
「そうだったんだ。先生がいると思ったら豪先生だったから、部屋間違えたかと思っちゃった。」
そう言って笑うりさの顔は、いつもより緊張しているような、少し寂しそうな表情だった。
「蒼がよかったか?」
「…ううん。豪先生なら安心だから大丈夫。」
りさはほんの一瞬迷って即答できなかった。
豪が嫌なわけではないが、蒼ではないことになんとなく胸がチクっとした。
「大丈夫だ。蒼から普段の治療のことはちゃんと聞いてる。準備するぞ。」
「はい…。」
りさは治療室に行き、いつものように準備を済ませ豪を待った。