りさと3人のDoctors
第26章 豪と涼子
エレベーターを降りると、豪はスタスタとりさの部屋に向かって歩く。
「ちょっと、豪待って。」
竹内、いや、涼子は豪の手を掴んだ。
「思ったって言った?さっき、わたしのこといい女って。」
「あぁ、言ったよ。最近はずっとりさがかわいくて仕方なかったけど、それはまた別だ。涼子のことはずっと想ってたし、その、やっぱり…、好きだと思った。」
豪は照れくさそうに目を逸らす。
「豪…。なんだっ!わたしのことなんて忘れちゃったのかと思ってたわよ。」
さっきのは豪の精一杯の告白。
涼子は豪がなんだかんだでずっと想ってくれてたとわかり、うれしくて仕方ないくせにツンツンする。
もちろん、豪は涼子が照れてるだけなのもわかってる。
「明日、夜空いてるか?」
「え…?空いてるけど…」
「ご飯行くか。あ、別にりさのお礼だからな…。」
「ふふっ。わかった。おしゃれして行こーっと。」
豪と涼子は微笑み合いながら、りさの部屋の前までやって来た。