りさと3人のDoctors
第1章 プロローグ
ここは、ノワール国際病院。
最先端の設備を備えており、優秀な医師が多く在籍するこの病院は、国内トップクラスの病院として名高い。
国内の医療だけでなく、途上国の医療支援などにも力を入れているため、医師の海外派遣も積極的に行なっている。
りさの両親はこの病院で働く医師で、2人とも数年前から海外派遣されていて、現地の医療支援に携わっていた。
幼い頃から身体が弱いりさは、両親が勤めるこの病院で入退院を繰り返す。
りさの主治医は、ノワールの病院長である小野寺謙二郎(おのでらけんじろう)。
幼い子どもが親から治療を受けると、親すら恐怖の対象になりかねないということで、りさに対しては両親に医療行為をさせなかった。
また、子どもを残して海外に行かなければならないりさの両親を思い、自ら責任を持ってりさを診てきた。