りさと3人のDoctors
第36章 進路相談
「ったく何回も呼んでるのに返事くらいしろ。」
「ご、豪先生…。びっくりした…。」
振り返ると、そこには豪が立っていた。
「そんな真剣になにみてんだ?」
豪はりさの背後から机を覗き込む。
「あぁっ!あの、これはなんでもないの!!」
咄嗟に隠すが、豪にはもう見えていた。
「進路希望調査…?りさ、進路のことで悩んでたのか?」
「…ぅ、うん。で、でも大丈夫!」
(大丈夫なわけないだろ。あんな呼んでも気づかないくらい考え込んでたんだろうに、ったく…。)
「りさ、どこ行きたいんだ?」
「え…?」
「大学。何勉強したいの?」
「………。」
りさは豪の問いかけに答えられなかった。