りさと3人のDoctors
第37章 りさの夢
「知ってるぞ。」
「………っ!先生、いたのね…。」
「なんだよ、俺は聞いちゃいけなかったのか?」
「そ、そうじゃなくて!」
リビングには蓮しかいないと油断していたが、蒼は飲み物を取りに行っていただけだった。
そして、りさが医師を目指す理由は、実はもうひとつあった。それは、蒼に近づくため。
恋をしてからというもの、1番近くにいるはずなのに、なぜかりさにとってすごく遠い存在になっていた。
蒼に似合う女じゃないと思っているりさは、蒼のような医師となり、大好きで尊敬する蒼に少しでも近づきたいと思っていた。
そんな想いを悟られないかと、りさは蒼に言わないでおこうとしていた。