りさと3人のDoctors
第5章 入院
コンコンコン___
「スー…スー……」
部屋に入ると、蓮が言ったとおりりさは寝ている。
「りさー、りさ、起きて。」
「ん〜っ、んん〜。あ、先生…。」
「ごめんな、気持ちよさそうに寝てたのに。ちょっと診察させて。」
「えっ…検査しないんじゃなかったの…?」
「検査はしないよ。少し診るだけ。胸めくるな。」
蒼は首にぶら下げていた聴診器を耳につけ、ガウンの隙間から手を入れてりさの胸の音を聴いた。
「りさ、今呼吸苦しくない?」
「うん。大丈夫。」
りさの胸からは微かに雑音が聞こえている。
「うん。いいよ。熱も測っとこうか。」
蒼はりさの脇に体温計を挟んだ。
ピピピッ…
"37.3°"
「りさ、ちょっと熱出てきちゃってるね。」
「えっ…でも、しんどくないよ…?」
「うん。でも、これからしんどくなってきちゃうかもしれないから、先に点滴だけしとこう。」
「なんで?やだしたくなぃ…ぅぅ…」
「りさ、泣かないの…。大丈夫、まだなんともないでしょ?ひどくなったらもっと嫌なことしないといけなくなるから、ね?」
と、蒼がナースルームに連絡を入れると、看護師はすぐに点滴を持ってきた。