りさと3人のDoctors
第50章 治療の克服
そして、次の治療の日。
「りさ、ベッド動くよ〜。」
先週まではこの合図で地獄に落とされるような気分だったのに今日は違う。
頑張ろうと気合を入れてくれるようだった。
「よし、そしたら一緒に深呼吸からするよ。息吸って、ふぅ〜って吐いてみよう。」
「すぅ〜…ふぅ〜…」
「うん、そうそう。そしたら少しずつ指入れてみるね。そのまま力抜いてて、痛かったら教えてな。」
きっと大丈夫。先生を信じれば怖くない。
りさはそう言い聞かせて一生懸命リラックスした。
そして、蒼の指がゆっくりと入ってくる。
「んんっ…」
「りさ痛い?」
りさは首を横に振った。
「大丈夫そうかな?そしたらもう少し奥行くな。」
今日は体に力みがなくすーっと指が入る。
蒼もこの調子ならいけそうだと感じた。