りさと3人のDoctors
第51章 生理と救急搬送
体育の授業が始まった。
準備運動をした後、間隔をあけて4つ並べられたマットの前に、生徒たちは分かれて並んだ。
りさは、ゆきちゃんと一緒に1番端っこのマットに並んでいる。
「じゃあ、今から10分間、前転、好転、側転、自分ができる技なんでもいいから順にやっていくぞ。前の人が終わったら、次の人もどんどんやっていくように。いいな!」
『はーい。』
「そしたら、よーい、始め!」
先生の合図で、生徒たちは一斉にマットを始めていった。
(ぃ、いたた…。ちょっとやばいかな…、気持ち悪くなってきた…。)
順番を待ちながら、りさはどんどん酷くなる生理痛に必死で耐えていた。
(次わたしの番だ…。どうしよう、手が痺れて耳鳴りがする…。とにかく横になりたい…。)
「りさちゃん、大丈夫?」
順番が回ってきたりさに、後ろに並ぶゆきちゃんが心配そうに声をかけるが、りさにはもうすでに聞こえていない。
マットを目の前にして、りさは失神しそのまま倒れ込んだ。