りさと3人のDoctors
第51章 生理と救急搬送
「りさー?わかる?にぃにの声聞こえる?」
「……っ、はぁはぁ…」
朦朧とする意識の中、りさは蓮の声にうっすらと目を開けて反応した。
「つらいね、もうちょっと頑張るんだよ。お腹診るね〜。」
蓮は決して大丈夫という言葉を口にせず、りさの心を折れさせないように声をかけながら、テキパキと子宮や卵巣の状態をエコーで確認していく。
蓮がエコーで診ている間に、同時進行でスタッフたちが血圧を測り、採血をした。
「りさちゃん、チクッとするよー。」
「はぁはぁ…、ん゛っ!」
採血の針を刺したものの、りさは嘔吐による脱水症状で全く血液が取れなかった。
「先生、脱水がひどく採血できないです。」
「じゃあ先に点滴入れて、吐き気止めも打って。あと坐薬用意してくれる?」
「はい!」
エコーを終えると、りさはまた吐き気に襲われたようで、蓮は慌ててりさの体を横に向けた。
「うっ…うぅっ……、はぁはぁ…。」
「りさ、我慢しないで出しちゃっていいよ。吐き気止めも入れてあげるからね。もうちょっと頑張ってね。」
蓮はりさの背中をさすりながら、優しく声をかけ励まし続けた。