りさと3人のDoctors
第70章 予防注射
学校が終わり門を出ると、豪の車が止まっていた。
りさが逃げ出したりしないようにきっちり迎えに来ていた。
りさは、いつものように"ただいま"も言わず、無言で助手席に乗り込んだ。
「おかえり。」
「…………。」
「ご機嫌斜めか。」
「ご機嫌ななめ…。」
「ははっ。自分で言うなよ。」
「だって、注射されに行くのにうれしくて楽しみなわけないじゃん…。」
「まぁ、それはそうだな。よし、行くぞ。」
豪はりさの頭にぽんと手を乗せたあと、車を病院へと走らせた。