りさと3人のDoctors
第70章 予防注射
「うっ…怖いっ…やっぱりやりたくないぃ…。」
りさは泣き出して椅子から立ち上がった。
「こら、りさ!」
診察室から逃げようとしたりさを、豪は腕を掴んで引き止める。
「やだぁ!豪先生離して!」
「やっぱりこうなっちゃったね。」
涼子が苦笑いして暴れるりさを見る。
「りさ!暴れるな!」
豪は少し厳しくりさに一喝すると、りさをひょいっと持ち上げて自分の膝の上に座らせた。
豪にしっかり押さえられて、りさはもう逃げられない。
「うぅ…嫌だ…針が長いの…、ぐすん、怖いぃ…ぐすん。」
「すぐ終わるから。涼子は注射上手いぞ?そんなに痛くない。」
と言いながら、豪はりさの二の腕をがっしりと押さえ、その間に涼子はテキパキと準備を進めた。