
りさと3人のDoctors
第72章 合格発表
「ケホッ…ケホケホッ……」
先生たちが部屋を出た後、りさはしばらく目を閉じてそのまま眠っていたが、突然、咳が出てきて目を覚ました。
「ケホケホッ…」
(やばい…、発作になりそう…。)
と思いながら咳き込んでいると、蒼が部屋に入ってきた。
「りさ!」
「ケホケホッ…はぁはぁ……、先生…。」
蒼はりさの体を起こして背中をさする。
「落ち着いて、りさゆっくり深呼吸して。」
「はぁはぁ…ケホケホッ…ケホッ…、はぁはぁ…。」
少ししてりさが落ち着いてくると、蒼はりさをもう一度ベッドに寝かせ、体温を測り聴診した。
「りさ、また熱高くなってきちゃってる。発作起きたらすぐ呼ばないと。」
「ごめんなさい…。久しぶりでちょっと焦っちゃって。」
「センターの後も熱出ただろ?受験が終わって安心して、今までの疲れが一気に出てるんだ。しばらくは発作も起きやすくなってるから、ゆっくりするよ。」
「はい…。」
せっかく大学受験が終わって、無事に医大に、それも、一番行きたかったノワールに合格したのに、りさはまた病院のベッドの上。
せっかくずっと元気だったのもあって、少ししょぼんとしてる。
「そんな顔しないの。この数ヶ月間は元気に過ごせてたんだ。りさの体もだいぶ強くなってきてるし、喘息もそこまで酷くはないよ。ゆっくり休めば良くなるから、ね。」
そう言って、蒼はりさのおでこにそっとキスした。
