
りさと3人のDoctors
第76章 医者の卵
「蓮先生、急患です!交通事故にあった27週の妊婦、1分で着くそうです!」
「了解。白鳥先生、行くよ!!」
「はい!」
産婦人科の研修が始まってから1週間。
通常分娩や帝王切開にはすでに立ち会ったが、産科の救急は初めて。
しかも交通事故となれば、外科とも協力して対応する必要がある。
(お腹に赤ちゃんがいるのに事故にあったなんて…。母体の確認を外科とやって、同時に胎児の状態を…。)
救急の初療室に向かいながら、りさは頭の中で患者が到着してからの動きを必死に想定してた。
そして、初療室につくとすでに患者が到着していて、外科の先生たちが母体の処置してるところだった。
りさと蓮はすぐにエコーで胎児を確認しようと、患者に近づいた瞬間、
"ピピー!"
と患者の心停止を知らせるアラームが鳴って、その瞬間、外科の先生が心臓マッサージを始めた。
除細動も行うが心拍は戻らない。
すると、少しして蓮が、
「母体を優先します。帝王切開するのでこのままオペ室に!」
とその場のスタッフに指示を出した。
