
りさと3人のDoctors
第76章 医者の卵
そうだ、にぃにだ。
にぃにはどんな命だって救うに決まってる。
それなのに、教科書通りのシナリオしか頭になくて、大事なこと忘れてた。
どんな選択をしても救える命が目の前にあれば救わなきゃ。
りさは、ぽろぽろ涙を流して蓮に謝った。
「謝らなくていいから。これでまた学べたし、成長できたでしょ?あと、職場でにぃには一応やめなさい!」
「ぐすん…、ごめんなさい…。」
そこへ、こっそり蓮とりさの話を聞いてた蒼と豪が来て、2人もソファーに腰掛けた。
豪「相変わらず泣き虫だな。この先やっていけるか?」
「もう、泣かない…。」
蒼「蓮、意外と怖いでしょ?家では優しかったかもしれないけど、これが蓮の本性だから。」
蓮「ちょっと〜!蒼兄そんなこと言わないでよ!俺は優しいってば〜。」
「ふふっ。にぃに…、あ、蓮先生は優しい。けど、さっきは本当に怖かった。あんなに怒れるんだって思った。でも、私はうれしかったの。ちゃんと叱ってくれて、こうして指導してもらえて、もっと頑張らないとって思える。」
蒼「そうか。立派になったな、りさ。」
りさは顔を真っ赤にしながらニコッと笑った。
