りさと3人のDoctors
第8章 検査の結果
蒼がやっと医局に戻って来て、
「蒼、おつかれ。」
「蒼兄、おつかれさま。」
豪と蓮はすぐに声をかけた。
「コーヒー飲むか?」
「あぁ。ありがとう。」
豪はコーヒーを入れ、3人でソファーに座り込む。
「蒼兄、つらかったでしょ。りさ、泣いてたね…。」
「蓮、お前聞いてたのか?」
「蒼兄がなかなか戻ってこないから、豪兄とりさの部屋の前まで行ったんだよ…。」
「そうだったのか。」
「りさは?落ち着いたの?」
「あぁ、なんとか。泣き疲れて寝たよ。」
「混乱しただろうしね。」
「まさか、"処女ってなに?"なんて…、そこから聞かれると思わなかったな。今どきの中学生はそういうこと知らないのか?」
「ははっ。蒼兄なに言ってんのー。そんなのりさが無垢なだけに決まってるでしょ~。」
「そうか。俺がりさを大人にしちゃったかぁ~。」
「おい、蒼なに言ってんだ?りさはまだ純粋な女の子だぞ。大人になんか…」
「はははっ!豪兄は本当にりさが好きなんだから。りさがお嫁に行ったらどうなるのやら。」
「うるさいぞ、蓮。」
3人は互いを慰めあうように、つらさを紛らわすように、少しの間、兄弟水入らずの時間を過ごした。