りさと3人のDoctors
第15章 高校生
_____1年後
りさは高校生になった。
「いってきまーす!」
「りさ、気をつけてな。あ、今日は病院の日だから。学校終わったら忘れずに来るんだぞ。」
玄関で靴を履くりさの頭を、蒼はぽんぽんと撫でた。
「うん…。大丈夫、わかってるよ。先生、いってきます。」
中学3年生の間、りさは病気や風邪を引くこともなくとても元気に過ごしていた。
けれど、今日は約束の日。
高校生になったら治療をはじめる。
2年前に約束した治療がいよいよ始まってしまう。
りさはいつもと同じように笑顔で家を出たが、蒼はその笑顔の奥にある不安な色を見逃さなかった。