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第4章 『不器用な世界』

確かに手を伸ばせば、指先はおろか。その華奢な肢体を抱き締めることも出来る。ーーそれが彼女の幸せであるなら、その手を取っただろう。
「…いいのか?」
「住む世界が違うんだ。足下から崩れたら意味がない」
闇の中で踵の音が響く。一瞬だけ、繁華街のネオンの煌びやかさに瞳を細め、歩き始めた。

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